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箕(み)の洞窟

■箕(み)の洞窟


場所:箕隅原(ミーヌシンバル)・陸上自衛隊那覇基地内

1410

△アビーポイントの観音像 ビーチー航海記

 かつて小禄半島の西北端に修道院(アビー)の遺跡とも見える場所があり、島人はサチバル崎、異国人はアビーポイントと呼んだ。そのアビーポイントのガマ(洞)に座高およそ1メートルの観音像があり、「異国人が近づこうとすると島人は袖を引いて阻もうとした」とビーチーは述べている。 青い目が見た「大琉球」編著:ラブ・オーシュリ/上原正稔 ニライ社

▽箕(み)の洞窟

 儀間邑(小禄間切)の西、岩山の上に樹木が老い茂った山があります。その麓(ふもと)に、箕(み・米糠チリを選び分ける道具)に似た洞穴があり、深く、広く、壮厳(そうげん)で、なんとなく、神様がいられるような聖域でした。
 ある人が、何時からとわなく「正観音像」を奉安して信仰するようになりました。霊顕(れいけん)あらたかで、お祈りすると、きっと報いられるので、近世になって薩摩の船人達が費用を喜捨して拝殿を建てました。その後には「ビズル」という零石が、供養されていますが、その拝所は、今ではそれ程参詣する人もなく、大部さびれたとのことです。

琉球民話集・球陽外巻 遺老説伝口語訳 口碑伝説民話集録 全巻 発行所:琉球史料研究会 発行人:比嘉寿助
 初版1960年11月発行

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