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メダカの棲む環境

 

 メダカの棲む環境                      

medaka-0901  環境省の中央審議会は、この三月に自然保護行政の方針、でメダカが泳ぐせせらぎ、里地、里山の保全や、開発で失われた自然を取り戻す再生事業の重要性を打ち出した。 人為的な自然破壊を痛感して、仲間と共に「メダカの棲む環境を取り戻す会」を立ち上げていた私にとっては、大いに賛同する。
 メダカは非常に敏感な生物で、彼らが生息しているということが、環境の善し悪しを知るバロメーターとなるからだ。現に沖縄でも野生メダカは激減し、湧水場の多い南部地域でさえ全く見られなくなってしまつた。
 一般にメダカとよく間違われるのが、カダヤシ(タップミノー)で、その名の通り蚊の幼虫(ボーフラ)を退治するために、戦前に石垣島に放流されたと聞く、 しかし期待された効果はなく、逆に在来のメダカの棲みかを侵略してしまった。
 メダカの特徴は、尾びれと大きな尻びれ、尾びれはバチ状になっている。 カダヤシ、グッピーの尾びれは丸いうちわ状なので、見分けがつく。
 アジアだけに生息するが、日本メダカの学名はオリジアス・ラティペス(水田に棲む幅広いひれをもつ魚というラテン語)、稲作と深い関係のあることが推測できる。
 我が家のメダカの親元である山中利也氏(宜野座村)は庭にせせらぎや池を造り、長年メダカの研究を続け繁殖に取り組んで居られ、希望に応じて学校や愛好者に提供している。すでに百件を越えたという。
 伊豆味小中学校では、地域ぐるみの協力で校内に湧水を引き、運動場の半周を囲むように造られた見事なビオトープにメダカが群れをなして泳いでいた
 私も地球に優しい環境共生物の物造りを心がけながら、子供達の遊ぶ小川 の複活を願っている。   
  赤嶺和雄   琉球新報 南風 転載

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