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うるくクンジー研究会

染織の原点としての藍・「美絣工房」を訪ねる・うるくクンジー研究会

□ 染織の原点としての藍・「美絣工房」を訪ねる・うるくクンジー研究会

□ 年月日:2010年7月25日

□藍と同じ光を浴び、藍と同じ風を感ずることを選んだ、真栄城興茂さんの「美絣工房」は本部町伊豆味にある。
琉球の藍染めの歴史は、今から4、500年 前になでさかのぼる。原料の糸芭蕉が多いことから芭蕉布が生産され、王族から一般庶民に至るまで衣料として用いられた。それを染めたのが琉球藍であり、その後木綿、絹などにも拡大された。精巧なものは中国への貢納品となっていた。真栄城さんはこうした歴史を踏まえたうえで、「藍こそ最も基本的色」とかんがえる。愛は、庶民でも貴族階級でも似合う色であり、それだけ人間の着るという行為に密着しているからである。同時に、このいろこそ、沖縄の風土が最もよく表れるという。
琉球藍は、植物分類上でも他の藍と異なるうえ、染料にするまでの工程もおのずと違っている。日本全国で一般に使用されるのがタデ藍と呼ばれるタデ科の一年草である。この葉を発酵タンクで水に浸し、腐蝕・発酵させるが、 季節によって気温・湿度によってもその発酵具合は異なる。その液に石灰を加えて攪拌する。色素が沈殿して泥状になった、その沈殿物が、「泥藍」となる。これらの工程のすべてが、機械化できない自然相手の作業である。
さらに沖縄の土壌に育つた藍にしかない色の深みと透明感。それは、実際に糸を染め、水洗いするという作家の一連の仕事のなかで、生き物である藍との対話からうまれる。        -真栄城興茂-藍染めから透かし見る沖縄の風 より

1178△美絣工房にて真栄城興茂さんの話を聞く・本部町伊豆味

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1185△ 容量240㍑ほどの直方体のコンクリート製藍瓶を地中に埋め込んでいる。藍瓶は横一列に5つ設置してあり、これらを順次に使用し、染色に供している。染色するカセ糸は、あらかじめ水に浸し、固く絞り、糸に乱れがないようにきれいにさばいた後に藍瓶に入れる。
最初の染めは、何度も糸を染めた地藍瓶(ジーイェーカメ) から先に使用する。一回の染色時間は1~2分程度、藍瓶の中でカセ糸を繰りながら万遍なく染色する。この工程を連続して数回繰り返して行う。そして染色後は屋外の太陽に干して乾燥させる。
最後はていねいに水洗いして乾燥させ、次の藍瓶に移る。

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1202△美絣工房 真栄城興茂氏作品

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